日本電計の決算短信<2025年３月期　第３四半期決算短信［日本基準］（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は電子計測器、電源機器、環境試験機器等のビジネスを展開している。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：景気は緩やかな回復傾向にあるが、回復の勢いは鈍い。自動車業界ではEVや燃料電池に関する開発が進んでおり、次世代自動車関連の需要が高まっている。電子・電機業界ではデジタル化が加速しており、5GやIoT関連の投資が期待されている。
・競争における供給の状況：人手不足が影響し、自動化・省力化を目的とした設備投資が進んでいる。競合他社も同様の投資を行っており、競争が激化している。
・既存競合他社について：国内外の競合が多く、特に自動車業界向けの技術開発においては競争が厳しい。各社が次世代技術に注力しているため、技術革新が求められる。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、技術革新を背景に新たなプレイヤーが市場に参入する可能性がある。特にデジタル化や自動化に関連するスタートアップが注目されている。
・代替品について：代替品としては、従来のアナログ機器や低価格の海外製品が存在する。特に価格競争が激化しており、品質や機能での差別化が求められる。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の連結業績は、売上高76,772百万円（前年同四半期比4.6％増）、営業利益2,613百万円（前年同四半期比0.2％増）、経常利益2,719百万円（前年同四半期比3.3％減）、親会社株主に帰属する四半期純利益1,761百万円（前年同四半期比11.9％減）となった。前年同期に比べて売上は増加したが、利益は減少した。特に、経常利益は前年同期比で減少しており、利益率の低下が懸念される。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高110,000百万円（前年対比1.3％増）、営業利益3,500百万円（前年対比21.0％減）、経常利益3,500百万円（前年対比27.2％減）、親会社株主に帰属する当期純利益2,400百万円（前年対比18.6％減）である。リスク要因としては、世界経済の不透明感や中国経済の停滞、地政学リスクの高まりが挙げられる。これらの要因が業績に影響を与える可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当は42.00円（合計82.00円）であり、前期からの増配が見込まれている。増配の理由は、業績の安定性を考慮した株主還元策の一環である。自社株買いについての情報は記載されていない。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。