ＮＴＴデータグループの決算短信<2025年3月期第3四半期決算短信〔ＩＦＲＳ〕(連結)>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は、ITサービスを提供する株式会社NTTデータグループであり、主なセグメントは以下の通り。

- コンサルティング

- アプリケーション開発

- インフラサービス

- データセンター事業

- SAP事業

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：デジタルトランスフォーメーション（DX）の加速により、企業のIT投資が増加している。特に、金融機関や公共セクターにおいては、効率化やコスト削減を目的としたITサービスの需要が高まっている。
・競争における供給の状況：国内外のITサービスプロバイダーが競争を繰り広げており、特にクラウドサービスやAI関連のソリューションにおいては、競争が激化している。
・既存競合他社について：大手IT企業や新興企業が存在し、特にグローバルなプレイヤーが市場シェアを拡大している。NTTデータグループは、独自の技術力や顧客基盤を活かして競争力を維持している。
・新規参入企業について：新たな技術を持つスタートアップ企業が増加しており、特にAIやデータ分析に特化した企業が注目を集めている。これにより、従来のビジネスモデルが脅かされる可能性がある。
・代替品について：自社開発のITソリューションに加え、オープンソースソフトウェアやクラウドベースのサービスが代替品として台頭しており、価格競争が激化している。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の連結業績は、売上高3,407,756百万円、営業利益235,982百万円、税引前四半期利益176,976百万円、当社株主に帰属する四半期利益96,466百万円である。前年同期比で売上高は7.3％増、営業利益は19.8％増となった。前年発生した不採算費用の剥落が影響し、増益を実現した。業績予想との乖離は特に見られなかった。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高4,430,000百万円、営業利益336,000百万円、税引前当期利益255,000百万円、当社株主に帰属する当期利益137,000百万円である。成長の根拠としては、公共・社会基盤分野の需要増加や、海外市場での新規案件の受注が挙げられる。ただし、為替リスクや競争の激化がリスク要因として存在する。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当額は12.50円で、合計25.00円となる見込みである。前期からの増配は、業績の改善に伴う株主還元の一環として行われる。自社株買いについての具体的な情報は示されていない。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率も当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。