Ｉ−ＰＥＸの決算短信<2024年12月期 決算短信〔日本基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

I-PEX株式会社は、主に電気・電子部品、自動車部品、設備事業の3つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：電気・電子部品事業では、ノートパソコン市場の堅調な需要が続いており、特にコネクタやHDD関連部品の需要が増加している。一方、自動車部品事業では、EV市場の低迷や自動車メーカーの品質認証問題が影響し、需要の回復が限定的である。設備事業では、半導体市場の過剰在庫が影響し、需要が低調である。
・競争における供給の状況：供給側では、電気・電子部品の供給は安定しているが、自動車部品の供給は在庫調整の影響を受けている。設備事業においては、過剰生産設備の影響で供給が過剰気味である。
・既存競合他社について：競合他社は、特に電気・電子部品市場において多く存在し、価格競争が激化している。自動車部品市場でも競争が厳しく、品質や納期が重要視されている。
・新規参入企業について：新規参入企業は、特に電気・電子部品市場において技術革新を背景に増加しているが、ブランド力や技術力が求められるため、参入障壁は高い。
・代替品について：代替品の影響は、特に自動車部品市場において顕著であり、EVの普及に伴い新たな技術や部品が求められている。

2. 当期業績の内容

2024年12月期の売上高は64,548百万円で前年同期比9.4％増加した。営業利益は2,557百万円で、前年の営業損失759百万円から大きく回復した。経常利益は3,320百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は1,230百万円で、前年の純損失1,269百万円から改善した。業績予想との乖離は特に見られなかった。

3. 次期業績予想の内容

2025年12月期の業績予想は記載されていないが、公開買付けにより上場廃止が予定されているため、今後の業績見通しは不透明である。リスク要因としては、地政学リスクや中国経済の低迷、EV市場の動向が挙げられる。

4. 投資に関する事項

2024年12月期の配当は、公開買付けに伴い期末配当が行われないことが発表されている。前期の配当は40.00円であったが、当期は20.00円の中間配当のみとなる。配当性向は30.2％である。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「下落」と予想される。業績が改善したものの、上場廃止の影響が大きく、投資家の信頼感が低下する可能性が高い。