ヤマックスの決算短信<2025年３月期 第3四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は、土木用セメント製品事業、建築用セメント製品事業、その他の事業の3つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内の建設業界は、堅調な企業業績や雇用環境の改善により、緩やかな回復基調にある。特に、プレキャスト工法の需要が高まっており、公共事業や防衛関連の需要も期待されている。
・競争における供給の状況：供給側では、建設業界の人手不足が続いており、企業は効率化やコスト削減に取り組んでいる。原材料価格の高騰も影響しており、企業は利益率の改善を目指している。
・既存競合他社について：競合他社は、同様のセメント製品を提供しており、価格競争が激化している。特に、品質や納期の面での競争が重要視されている。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、技術革新や新しい製品の開発により、競争が激化する可能性がある。特に、環境に配慮した製品の需要が高まっている。
・代替品について：代替品としては、他の建材や工法が考えられるが、プレキャスト工法の利便性やコストパフォーマンスから、需要は安定している。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の業績は、売上高165億5千8百万円（前年同四半期比13.8％増）、営業利益23億9百万円（前年同四半期比66.5％増）、経常利益23億3百万円（前年同四半期比64.9％増）、親会社株主に帰属する四半期純利益15億7千4百万円（前年同四半期比70.2％増）となった。前年同期と比較して、特に営業利益の増加が顕著であり、コスト管理や販売価格の転嫁が功を奏した。業績予想との乖離は特に見られなかった。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の業績予想は、売上高224億円（前年比7.7％増）、営業利益25億円（前年比37.0％増）を見込んでいる。公共事業の発注が下半期に集中するため、季節的な変動が予想される。リスク要因としては、原材料価格の高騰や金利の変動、地政学的リスクが挙げられる。これらの要因が業績に与える影響を注視する必要がある。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当額は53円であり、前期からの増配が見込まれている。これは、業績の改善に伴う株主還元の一環である。配当政策は、安定した利益の確保と株主への還元を重視している。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「上昇」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であれば、株価の反応は「横ばい」となるが、業績の改善が続くことから、投資家の期待感が高まり、株価は上昇する可能性が高い。