スルガ銀行の決算短信<2025年3月期　第3四半期決算短信[日本基準](連結)>銘柄分析

1. 環境分析

スルガ銀行は、主に銀行業務を中心に、クレジットカード業務やリース業務なども展開している。セグメント情報としては、銀行業務が主な収益源であり、その他の業務が補完的な役割を果たしている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：日本の金融市場は低金利環境が続いており、個人や企業の資金需要は安定しているが、競争が激化している。特に、デジタルバンキングの普及により、顧客の選択肢が増えている。
・競争における供給の状況：多くの金融機関が新たなサービスを提供しており、特にフィンテック企業が台頭している。これにより、従来の銀行業務に対する圧力が増している。
・既存競合他社について：メガバンクや地方銀行が主要な競合であり、特にメガバンクは資本力が強く、広範なサービスを提供しているため、スルガ銀行にとっては大きな脅威となっている。
・新規参入企業について：フィンテック企業やオンラインバンクが新たに市場に参入しており、特に若年層をターゲットにしたサービスが増加している。これにより、従来の銀行業務の枠組みが変わりつつある。
・代替品について：仮想通貨やクラウドファンディングなど、従来の銀行サービスに代わる選択肢が増えており、特に若年層の顧客がこれらのサービスを利用する傾向が見られる。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の連結業績は、経常収益が67,665百万円で前年同期比0.3%の増加、経常利益は22,305百万円で25.7%の増加、親会社株主に帰属する四半期純利益は18,365百万円で36.0%の増加となった。前年同期と比較して、経常収益は微増に留まったが、経常利益と純利益は大幅に改善した。これは、経常費用の減少が寄与している。前期との差異として、経常利益は前年同期比で45億72百万円の増加を記録した。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、経常利益22,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益17,500百万円とされている。これに対するリスク要因としては、金利の変動や競争の激化、経済環境の不透明感が挙げられる。特に、低金利が続く中での収益確保が課題となる可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当額は29.00円であり、前期からの増配が見込まれている。これは、業績改善に伴う株主還元の一環として位置付けられている。配当の増加は、企業の安定した収益基盤を反映している。

5. 株価予想

上記の業績や市場環境を考慮すると、向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率も当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は安定すると考えられる。