スミダコーポレーションの決算短信<2024年12月期 決算短信〔IFRS〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

スミダコーポレーションは、主に電子部品を製造・販売する企業であり、主なセグメントは車載関連、インダストリー関連、家電関連である。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：世界的な新車生産台数の伸びにより、車載関連の需要は堅調に推移しているが、EV市場では補助金打ち切りや高金利の影響で需要が鈍化している。インダストリー関連では、太陽光発電関連の需要が減少している。
・競争における供給の状況：供給側では、コロナ後の需要増加に伴う在庫の解消が進んでいるが、依然として供給制約が影響している。特に、EV関連の供給は不安定である。
・既存競合他社について：競合他社は、EV市場への投資を進めているが、政策の変化や市場の不透明感から慎重な姿勢を見せている。特に、欧州の競合は補助金の打ち切りに直面している。
・新規参入企業について：新規参入企業は、特にEV関連の分野で増加しており、競争が激化している。新興企業が新技術を持ち込むことで、既存企業に対する脅威となっている。
・代替品について：代替品としては、従来の内燃機関車両や他のエネルギー源を使用した製品が挙げられる。特に、EVの普及が進む中で、これらの代替品の需要も影響を受けている。

2. 当期業績の内容

2024年12月期の売上収益は143,978百万円で、前期比2.5％減少した。営業利益は4,513百万円で、47.3％の減少を記録した。減収の主な要因は、EV市場の需要鈍化とインダストリー関連の需要減少である。業績予想との乖離は、期初の想定よりも売上が遅れたことに起因している。

3. 次期業績予想の内容

2025年12月期の売上収益は144,000百万円を見込んでおり、成長率は0.0％と予想されている。営業利益は7,000百万円で、55.1％の増加が見込まれている。リスク要因としては、EV市場の政策変更や高金利の影響が挙げられる。特に、米国におけるEV促進策の撤回が懸念されている。

4. 投資に関する事項

配当は53.00円で、前期からの変更はない。配当性向は295.1％と高く、利益の減少にもかかわらず安定した配当を維持している。配当額の変更がない理由は、企業の資金繰りや将来の成長戦略に基づくものである。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。