ＫＤＤＩの決算短信<2025年3月期　第3四半期決算短信〔ＩＦＲＳ〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は以下のビジネスセグメントを有する。

- パーソナルセグメント：個人向け通信サービス

- エンタープライズセグメント：法人向け通信サービス

- グロース領域：金融、エネルギー、デジタルトランスフォーメーション（DX）など

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：通信業界は5Gの普及に伴い、データ通信の需要が急増している。特に、AI技術の進化により、デジタルサービスの需要が高まっている。顧客は高品質な通信サービスを求めており、競争が激化している。
・競争における供給の状況：多くの通信事業者が市場に存在し、価格競争が進行中である。特に、MVNO（仮想移動体通信事業者）が増加し、価格競争が激化している。供給側は、5Gインフラの整備や新サービスの提供に注力している。
・既存競合他社について：NTTドコモやソフトバンクなどの大手通信事業者が主要な競合であり、各社は独自のサービスや料金プランを展開している。特に、NTTドコモは5Gサービスの拡充に力を入れている。
・新規参入企業について：新たなテクノロジー企業やスタートアップが通信市場に参入しており、特にAIやIoT関連のサービスを提供する企業が増加している。これにより、競争がさらに激化する可能性がある。
・代替品について：通信サービスの代替品として、Wi-Fiや衛星通信が考えられる。特に、リモートワークの普及により、Wi-Fiの需要が高まっている。また、衛星通信技術の進化により、通信の選択肢が広がっている。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の売上高は4,364,195百万円で、前年同期比2.3％の増加。営業利益は864,566百万円で2.0％の増加。税引前利益は859,829百万円で1.1％の減少。親会社の所有者に帰属する四半期利益は536,531百万円で1.7％の減少。業績の増加は主に通信ARPU収入の増加や端末販売の好調によるものであるが、エネルギー事業の収入減少が影響している。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高5,770,000百万円（0.3％増）、営業利益1,110,000百万円（15.4％増）、親会社の所有者に帰属する当期利益690,000百万円（8.2％増）を見込んでいる。成長の根拠は、5Gサービスの拡充や新たなデジタルサービスの提供にある。ただし、競争の激化や経済環境の変化がリスク要因として挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当額は145.00円で、前期からの増加が見込まれている。配当の増加は、業績の改善に基づくものであり、株主還元の強化を図る方針が示されている。

5. 株価予想

業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は「横ばい」と予想される。