ニシオホールディングスの決算短信<2025年９月期 第１四半期決算短信〔日本基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

ニシオホールディングス株式会社は、主にレンタル関連事業とその他の事業セグメントから構成されている。レンタル関連事業は、道路・土木関連、建築・設備関連、イベント関連など多岐にわたる。その他の事業には、海外製建機の販売や鋲螺類の製造、建設工事用機械の製造、保険・不動産賃貸業が含まれる。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：建設業界は公共工事や民間の新設工事が堅調であり、特に大阪・関西万博関連の需要が高まっている。物流倉庫や工場の新設工事も活発で、需要は安定している。
・競争における供給の状況：供給側では、原材料の高騰や作業員不足が影響を及ぼしている。新規着工現場の遅れが見られるが、既存のプロジェクトは順調に進行中。
・既存競合他社について：競合他社も同様に建設業界の需要を取り込んでおり、特に大手企業が強い競争力を持っている。価格競争が激化しているが、品質やサービスで差別化を図る企業も多い。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、特にITを活用した建設DX関連の企業が注目を集めている。これにより、業界全体の競争が変化する可能性がある。
・代替品について：代替品としては、建設機械のレンタルに代わる購入や、他の工法による建設手法が考えられるが、現状ではレンタルの需要が高い。

2. 当期業績の内容

2025年9月期第1四半期の連結業績は、売上高56,720百万円、営業利益6,183百万円、経常利益6,060百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益4,040百万円であった。前年同四半期比で売上高は8.0％、営業利益は15.6％、経常利益は16.4％、純利益は20.0％の増加を記録した。業績の好調は、建設業界の需要増加と中期経営計画に基づく施策の効果によるものである。前期との差異としては、売上高が前年同期比で増加しているが、EBITDAは107.7％とやや鈍化している。

3. 次期業績予想の内容

2025年9月期の業績予想は、売上高208,000百万円、営業利益18,550百万円、経常利益17,800百万円、親会社株主に帰属する当期純利益11,800百万円である。リスク要因としては、資源価格の高騰や米国の政策動向、建設業界の2024年問題が挙げられる。これらの要因が業績に与える影響は不透明であり、特に原材料の価格変動が利益率に影響を及ぼす可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年9月期の予想配当は128.00円であり、前期からの増配が見込まれている。これは、業績の向上に伴う株主還元の一環として実施されるものである。自社株買いについての具体的な計画は示されていないが、業績の安定性を考慮すると、今後の株主還元策に期待が持てる。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいで推移する可能性が高い。市場全体の動向や競合他社の動きにも影響を受けるが、安定した業績が株価を支える要因となる。