第一実業の決算短信<2025年３月期第３四半期決算短信〔日本基準〕(連結)>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は以下のセグメントで構成されている。プラント・エネルギー事業、エナジーソリューションズ事業、産業機械事業、エレクトロニクス事業、自動車事業、ヘルスケア事業、航空・インフラ事業。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：世界的な半導体需要の回復やインバウンド需要の堅調さが需要を支えている。特に、リチウムイオン電池製造設備の需要が高まっており、エナジーソリューションズ事業において大口案件の売上計上が見込まれる。
・競争における供給の状況：供給側では、原材料の価格上昇や人手不足が影響を及ぼしているが、企業は効率化を進めており、供給能力の向上が図られている。
・既存競合他社について：競合他社は、同様の市場で活動しており、特にエナジーソリューションズ事業においては、他社もリチウムイオン電池関連の製品を強化している。競争が激化しているが、当社は技術力で差別化を図っている。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、特にエネルギー関連のスタートアップが注目されており、技術革新を通じて市場に影響を与える可能性がある。
・代替品について：代替品としては、他のエネルギー源や新しい技術が考えられるが、現時点ではリチウムイオン電池の需要が高く、代替品の影響は限定的である。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の連結業績は、売上高160,776百万円（前年同期比36.9％増）、営業利益9,959百万円（同120.6％増）、経常利益10,223百万円（同114.6％増）、親会社株主に帰属する四半期純利益7,256百万円（同69.2％増）であった。前期と比較して大幅な増加が見られ、特にエナジーソリューションズ事業の成長が寄与した。業績予想との乖離は特に見られなかった。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高200,000百万円（前期比6.5％増）、営業利益10,000百万円（同10.0％増）、経常利益10,300百万円（同14.4％増）、親会社株主に帰属する当期純利益7,300百万円（同-2.2％減）である。リスク要因としては、地政学リスクの増大や米国の経済政策の不確実性、物価上昇による消費への影響が挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当は36.00円（前期比減少）であり、合計77.00円となる見込みである。配当額の変更理由は、業績の成長に伴う株主還元の一環であるが、次期の業績予想が減少しているため、配当額を抑える判断がなされた。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。