大末建設の決算短信<2025年３月期 第３四半期決算短信〔日本基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

大末建設株式会社は、建設事業を主なビジネスセグメントとしており、公共工事と民間工事の両方を手掛けている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：日本経済の回復に伴い、公共投資は安定して推移している。民間設備投資も持ち直しの動きが見られ、建設需要は増加傾向にある。特に、民間部門の受注が前年同期比で大きく増加している。
・競争における供給の状況：建設資材の価格高騰や労働者賃金の上昇が影響し、供給側は厳しい状況にある。労働者不足も深刻で、これが工事の進捗に影響を与える可能性がある。
・既存競合他社について：競合他社も同様の環境に置かれており、特に大手建設会社が市場シェアを維持するために価格競争を強いられている。
・新規参入企業について：新規参入企業は少なく、既存の大手企業が市場を支配しているため、新規参入の障壁は高い。
・代替品について：代替品としては、プレファブ工法や3Dプリンティング技術が挙げられ、これらの技術が普及することで従来の建設方法に影響を与える可能性がある。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の業績は、売上高64,585百万円（前年同期比13.8％増）、営業利益1,917百万円（前年同期比300.2％増）、経常利益1,985百万円（前年同期比263.8％増）、親会社株主に帰属する四半期純利益1,306百万円（前年同期比174.6％増）となった。前期と比較して大幅な増益を達成しており、業績予想との乖離は見られない。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高83,900百万円（前年同期比7.8％増）、営業利益2,600百万円（前年同期比63.5％増）、経常利益2,580百万円（前年同期比61.0％増）、親会社株主に帰属する当期純利益1,700百万円（前年同期比37.6％増）とされている。リスク要因としては、建設資材の価格高騰や労働者不足が挙げられ、これらが業績に影響を与える可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当額は44.50円で、通期で89.00円を見込んでいる。前期からの増配は、業績の改善に伴うものであり、株主還元の意向が示されている。

5. 株価予想

上記の業績や市場環境を考慮すると、向こう3ヶ月以内の株価変化は「上昇」と予想される。業績が好調であり、配当の増加も株主にとってプラス要因となるため、株価は上昇する可能性が高い。