トマト銀行の決算短信<2025年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)>銘柄分析

1. 環境分析

株式会社トマト銀行は、銀行業、リース業、その他（クレジットカード業）という3つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：日本の金融市場は低金利環境が続いており、特に住宅ローンや個人向け融資の需要が高まっている。企業向け融資も回復傾向にあるが、競争が激化しているため、顧客獲得のためのサービス向上が求められている。
・競争における供給の状況：多くの金融機関が新たな金融商品やサービスを提供しており、特にデジタルバンキングの普及が進んでいる。トマト銀行もデジタル化を進めているが、競合他社に比べて遅れをとっている部分がある。
・既存競合他社について：大手銀行や地方銀行が競合として存在し、特に大手銀行は資本力が強く、顧客基盤も広いため、競争が厳しい。トマト銀行は地域密着型のサービスを強化することで差別化を図っている。
・新規参入企業について：フィンテック企業の台頭が見られ、特にオンラインバンキングやモバイル決済サービスを提供する企業が増加している。これにより、従来の銀行業務に対する競争が激化している。
・代替品について：代替品としては、クレジットカードや電子マネー、仮想通貨などが挙げられる。特に若年層を中心に、現金を使わない決済手段が普及しており、銀行業務に影響を与えている。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の連結経常収益は19,370百万円で前年同期比9.8%増加した。経常利益は1,921百万円で前年同期比9.7%減少し、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,313百万円で10.9%減少した。前期と比較して、経常収益は増加したものの、経常利益と純利益は減少した。これは、資金調達費用の増加や不良債権処理費用の増加が影響している。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、経常収益24,300百万円、経常利益2,200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,500百万円とされている。経常収益は前年同期比0.9%の増加が見込まれているが、経常利益は4.8%の減少が予想されている。リスク要因としては、金利の変動や不良債権の増加、競争の激化が挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当は25.00円で、年間合計は50.00円となる見込み。前期からの変更はない。株主還元の方針としては、安定した配当を維持することが掲げられている。

5. 株価予想

業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は「横ばい」と予想される。