フジミインコーポレーテッドの決算短信<2025年３月期 第３四半期決算短信〔日本基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は半導体向け製品を主力とし、セグメント情報として日本、北米、アジア、欧州の4つの地域に分かれている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：世界的な景気後退や地政学リスクの影響を受けつつも、AI向け先端半導体デバイスの需要が増加している。特に、データセンター向けの需要が顕著であり、ハードディスク基板向け製品の売上が大きく伸びている。
・競争における供給の状況：供給側では、半導体市場全体において供給過剰感が見られるが、特定の先端技術においては供給が追いつかない状況もある。特に、CMP製品の需要が高まっている。
・既存競合他社について：競合他社は、特にアジア地域において強力なプレゼンスを持つ企業が多く、価格競争が激化している。技術革新が求められる中、競争力を維持するための研究開発投資が重要となっている。
・新規参入企業について：新規参入企業は、特にAI関連のスタートアップが増加しており、技術革新を武器に市場に挑戦している。これにより、既存企業は競争環境が厳しくなる可能性がある。
・代替品について：代替品としては、従来の半導体製品に加え、量子コンピュータや新素材を用いたデバイスが挙げられる。これらの技術が成熟することで、従来の半導体市場に影響を与える可能性がある。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の業績は、売上高46,792百万円（前年同期比23.9％増）、営業利益9,060百万円（前年同期比48.3％増）、経常利益9,680百万円（前年同期比50.0％増）、親会社株主に帰属する四半期純利益7,265百万円（前年同期比51.4％増）となった。前年同期は業績が低迷していたが、円安や半導体向け製品の販売増加が寄与した。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の業績予想は、売上高61,100百万円（前年比18.8％増）、営業利益10,650百万円（前年比29.1％増）、経常利益11,150百万円（前年比24.5％増）、親会社株主に帰属する当期純利益8,350百万円（前年比28.5％増）とされている。リスク要因としては、地政学リスクや世界経済の不透明感が挙げられ、特に中国経済の減速が影響を与える可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当は36.67円で、前期と同額を維持する見込み。配当維持の理由は、安定した利益成長を背景にした株主還元の方針によるものである。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率も当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。