プリマハムの決算短信<2025年３月期　第３四半期決算短信[日本基準]（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

プリマハム株式会社は、主に加工食品事業と食肉事業を中心に展開している。加工食品事業部門ではハム・ソーセージやその他の加工食品を扱い、食肉事業部門では生鮮肉や加工肉を提供している。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内の消費者物価が上昇し、実質消費支出が減少しているため、食品業界全体で需要が低迷している。特に肉類の消費は減少傾向にあり、節約志向が強まっている。
・競争における供給の状況：原材料費や物流費の高騰が続いており、企業は価格改定を余儀なくされている。供給側もコスト上昇に直面しており、利益率が圧迫されている。
・既存競合他社について：競合他社も同様に原材料費の高騰に苦しんでおり、価格競争が激化している。特に市販用商品市場では、全体的に販売額が前年同期を下回る厳しい状況が続いている。
・新規参入企業について：新規参入企業の動向は特に目立たないが、既存企業の価格競争が激化する中で、新たなビジネスモデルを持つ企業が参入する可能性はある。
・代替品について：健康志向の高まりにより、植物由来の代替肉製品が注目されており、消費者の選択肢が広がっている。これにより、従来の肉製品の需要が影響を受ける可能性がある。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の連結業績は、売上高350,285百万円（前年同期比2.3％増）、営業利益8,273百万円（前年同期比20.4％減）、経常利益9,393百万円（前年同期比16.0％減）、親会社株主に帰属する四半期純利益5,878百万円（前年同期比5.2％減）となった。売上高は前年同期を上回ったものの、営業利益と経常利益は大幅に減少した。これは、原材料費や物流費の高騰が影響し、利益率が圧迫されたためである。業績予想との乖離は、特に営業利益の減少が顕著であった。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の連結業績予想は、売上高460,000百万円（前年比2.6％増）、営業利益9,500百万円（前年比19.6％減）、経常利益11,000百万円（前年比14.6％減）、親会社株主に帰属する当期純利益8,000百万円（前年比6.8％増）とされている。業績予想の修正が行われており、原材料費の高騰や円安の影響がリスク要因として挙げられている。特に、原材料費の変動が利益に与える影響が大きく、今後の市場動向に注意が必要である。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当額は40.00円（前期比20.00円増）であり、合計80.00円となる見込みである。配当額の増加は、安定した利益基盤を維持するための株主還元策として位置づけられている。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。