スズデンの決算短信<2025年３月期 第３四半期決算短信〔日本基準〕(連結)>銘柄分析

1. 環境分析

スズデン株式会社は、主に電機・電子部品販売事業と製造事業を展開している。電機・電子部品販売事業は、FA機器、情報・通信機器、電子・デバイス機器、電設資材の4つのセグメントに分かれている。製造事業は、主に電気機器の製造を行っている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の増加により、景気は緩やかに回復しているが、主要顧客の生産部材の在庫調整が影響し、需要の本格的な回復には至っていない。
・競争における供給の状況：供給側では、資源価格の高騰や為替変動が影響し、企業の生産活動が慎重になっている。これにより、供給の安定性が損なわれる可能性がある。
・既存競合他社について：競合他社も同様の環境に直面しており、特に電機・電子部品業界では、価格競争が激化している。
・新規参入企業について：新規参入企業の動向は不明だが、技術革新やデジタル化の進展により、新たな競争相手が出現する可能性がある。
・代替品について：代替品の影響は限定的だが、特にデジタル化が進む中で、従来の製品に代わる新しい技術や製品が市場に登場する可能性がある。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の連結業績は、売上高34,714百万円（前年同期比13.1％減）、営業利益1,787百万円（同19.2％減）、経常利益1,971百万円（同19.9％減）、親会社株主に帰属する四半期純利益1,331百万円（同19.8％減）となり、前年同期に比べ減収減益となった。主な原因は、主要顧客の生産部材の在庫調整による影響で、売上高の本格的な回復には至らなかったことにある。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期通期の業績予想は、売上高49,600百万円（前年同期比2.6％減）、営業利益2,120百万円（同23.9％減）、経常利益2,380百万円（同23.0％減）、親会社株主に帰属する当期純利益1,550百万円（同25.9％減）とされている。主要顧客の生産活動や設備投資は緩やかに回復する見込みだが、在庫調整の影響が長期化するリスクがある。また、半導体市場においては、AIサーバー向けの需要が旺盛であり、これが受注環境の回復に寄与する可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当は50.00円（前年同期比減少）であり、配当額の変更理由は、業績の減少に伴う株主還元の見直しによるものである。前期から当期にかけて配当額が減少することは、企業の財務状況を反映したものである。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。