ＳＡＮＫＹＯの決算短信<2025年３月期 第３四半期決算短信〔日本基準〕(連結)>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は、パチンコ機関連事業、パチスロ機関連事業、補給機器関連事業、その他の事業に分かれている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：パチンコ・パチスロ業界は、スマートパチンコ機（スマパチ）やスマートパチスロ機（スマスロ）の普及が進んでおり、特にスマパチのゲーム性拡充が需要を喚起している。新機種の登場により、稼働率が向上しているが、全体的には市場の成長は緩やかである。
・競争における供給の状況：競合他社もスマパチやスマスロの開発に注力しており、技術革新が進んでいる。新機種の投入が相次いでおり、供給過剰のリスクも存在する。
・既存競合他社について：主要な競合には、同業他社が存在し、特に新機種の開発競争が激化している。競合他社の中には、独自のゲーム性やデザインを持つ機種を展開している企業も多く、差別化が求められている。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、既存のゲーム業界からの参入が見られる。特に、デジタル技術を活用した新しい形態のゲームが注目されている。
・代替品について：パチンコ・パチスロの代替品として、オンラインカジノやスマートフォン向けのゲームが挙げられる。これらの代替品は、特に若年層の顧客をターゲットにしており、競争が激化している。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の連結業績は、売上高1,537億円（前年同四半期比9.9％減）、営業利益624億円（同4.3％減）、経常利益631億円（同4.1％減）、親会社株主に帰属する四半期純利益455億円（同5.7％減）であった。前年同期に比べて売上高が減少した要因は、パチンコ機関連事業の売上が大幅に減少したことに起因している。パチスロ機関連事業は好調であったが、全体の業績には影響を与えなかった。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の連結業績予想は、売上高1,900億円（前期比4.6％減）、営業利益710億円（同2.1％減）、経常利益720億円（同1.6％減）、親会社株主に帰属する当期純利益515億円（同4.3％減）とされている。パチンコ機の販売台数は223千台に見直され、パチスロ機は131千台に増加する見込みである。リスク要因としては、物価上昇や中東情勢の不安定さが挙げられ、これが消費者の支出に影響を与える可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の期末配当予想が1株当たり60円に修正されている。これは、前回予想から20円の増額であり、業績の回復を反映したものである。配当の増額は、株主還元の意向を示すものであり、企業の財務基盤が安定していることを示唆している。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。市場の不透明感が続く中、投資家の慎重な姿勢が影響する可能性がある。