住友ベークライトの決算短信<2025年3月期 第3四半期決算短信〔IFRS〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

住友ベークライト株式会社は、半導体関連材料、高機能プラスチック、クオリティオブライフ関連製品の3つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：半導体関連材料は中国での電動車や太陽光パネル向けの需要が旺盛で、AI関連用途も拡大している。高機能プラスチックは欧州での摩擦材の販売が好調で、国内でも半導体用途の需要が伸びている。クオリティオブライフ関連製品は医療機器や食品包装用途での需要が堅調である。
・競争における供給の状況：供給側では、原材料の価格変動や供給チェーンの混乱が影響を及ぼしているが、企業は生産効率の改善や高付加価値品へのシフトを進めている。
・既存競合他社について：競合他社は、半導体材料やプラスチック製品において強力なブランドを持ち、価格競争が激化している。特に、海外の競合が価格面での圧力をかけている。
・新規参入企業について：新規参入企業は、特に環境に配慮した製品や新技術を持つ企業が増えており、競争が激化する可能性がある。
・代替品について：代替品としては、バイオプラスチックやリサイクル素材が注目されており、これらの製品が市場に浸透することで競争が激化する可能性がある。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の売上収益は231,091百万円で前年同期比7.3％増加した。事業利益は23,912百万円で15.8％増加したが、営業利益は18,234百万円で11.2％減少した。親会社の所有者に帰属する四半期利益は12,855百万円で28.7％減少した。前期と比較して、営業利益の減少は北米フェノール関連事業での減損損失や固定資産の移設費用が影響した。業績予想との乖離は、親会社の所有者に帰属する当期利益が下方修正されたことが要因である。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上収益309,000百万円、事業利益30,500百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益17,500百万円とされている。リスク要因としては、北米フェノール関連事業での減損損失や税金費用の増加が挙げられる。市場環境の変化や競争の激化が業績に影響を与える可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の第2四半期末に45.00円の配当が予定されており、通期では90.00円を見込んでいる。前期からの変更は、株式分割を考慮した結果であり、配当額の変更はない。株主還元の方針は堅持されている。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。