ＨＯＹＡの決算短信<2025年３月期 第３四半期決算短信〔ＩＦＲＳ〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は以下のセグメントでビジネスを展開している。ライフケア事業、情報・通信事業、その他。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：ライフケア事業では、メガネレンズやコンタクトレンズの需要が回復しており、特にプライベートブランド品やオンライン販売が好調。情報・通信事業では、半導体関連市場の需要が堅調で、特にEUV向けの製品が急増している。
・競争における供給の状況：供給側では、半導体用マスクブランクスやハードディスク用ガラスサブストレートの供給が増加しているが、FPD用フォトマスクは減少傾向にある。
・既存競合他社について：競合他社は、ライフケア事業においては国内外の大手企業が存在し、価格競争が激化している。情報・通信事業では、特に半導体関連の競争が厳しく、技術革新が求められている。
・新規参入企業について：新規参入企業は、特にライフケア事業においてオンライン販売を強化する企業が増えており、競争が激化している。情報・通信事業でも新興企業が技術革新を進めている。
・代替品について：ライフケア事業では、代替品としてのコンタクトレンズやサングラスが存在し、情報・通信事業では、他の半導体材料や製品が代替品となる可能性がある。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の業績は、売上収益649,276百万円、税引前利益192,255百万円、四半期利益150,696百万円であり、前年同期比でそれぞれ14.8%、16.9%、20.5%の増加を記録した。主な要因は、情報・通信事業の好調な成長とライフケア事業の回復である。前期との差異として、前年同期は売上収益565,787百万円、税引前利益164,471百万円、四半期利益125,089百万円であったため、業績は大幅に改善した。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上収益869,200百万円、税引前利益256,100百万円、当期利益198,300百万円とされている。これに対するリスク要因としては、為替変動や市場の需要変動が挙げられる。特に、海外売上比率が高いため、為替リスクが業績に影響を与える可能性がある。また、半導体市場の需要が急激に変動することもリスク要因となる。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の配当予想は未定であり、最終利益確定後に設備投資や研究開発とのバランスを考慮して決定される。前期からの変更はなく、配当額は安定しているが、今後の業績に応じて見直される可能性がある。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「上昇」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であれば、株価の反応は「横ばい」となるが、情報・通信事業の好調な成長が続くことから、株価は上昇する見込みである。