小松製作所の決算短信<2025年3月期 第3四半期決算短信〔米国基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は建設機械・車両、リテールファイナンス、産業機械他の3つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：建設機械の需要は地域によって異なるが、特に北米やアジアではインフラ投資の増加により堅調に推移している。鉱山機械の需要も増加しており、円安の影響で価格競争力が向上している。
・競争における供給の状況：供給側では、原材料費の高騰や物流コストの上昇が影響しているが、企業は効率化を進めており、供給能力は維持されている。
・既存競合他社について：国内外の競合他社は多く、特に米国や欧州の企業が強力な競争相手となっている。競争は激化しており、価格競争が利益率に影響を与えている。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、テクノロジー企業が建設機械のデジタル化に参入しており、競争環境が変化している。
・代替品について：代替品としては、レンタルサービスや中古機械の利用が増加しており、特にコスト削減を求める顧客に支持されている。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の連結売上高は2兆9,573億円で前年同期比5.8％増加した。営業利益は4,661億円で2.8％の増加、税引前四半期純利益は4,282億円で0.5％減少した。前年同期と比較して、建設機械・車両部門の利益が減少したが、リテールファイナンス部門と産業機械他部門が増益となった。業績予想との乖離は見られなかった。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高3兆9,880億円、営業利益573億円、税引前当期純利益532億円、当社株主に帰属する当期純利益376億円を見込んでいる。リスク要因としては、為替相場の変動、主要市場の経済状況、及びサプライチェーンの混乱が挙げられる。特に、円安が利益に与える影響が注視される。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の配当予想は167円で、前期から変更はない。配当額の維持は、安定した利益基盤を反映している。自己株式の取得も行っており、株主還元に積極的な姿勢を示している。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率も当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。