キングの決算短信<2025年３月期　第３四半期決算短信〔日本基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業はアパレル事業、テキスタイル事業、エステート事業の3つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：アパレル業界では物価上昇に伴う消費者の節約志向が強まっており、特に秋冬商材の立ち上がりに苦戦している。消費者は価格に敏感になり、品質やブランド価値を重視する傾向が見られる。
・競争における供給の状況：競合他社も同様に高品質な商品を提供しようと努力しているが、原材料費の高騰が影響している。供給側のコスト圧力が強まっており、価格競争が激化している。
・既存競合他社について：アパレル業界には多くの競合が存在し、特に国内外のブランドが熾烈な競争を繰り広げている。新ブランドの投入やマーケティング戦略の強化が求められている。
・新規参入企業について：新規参入企業は、オンライン販売を活用した低コストのビジネスモデルを持つことが多く、既存企業にとって脅威となっている。特にSNSを活用したマーケティングが効果を上げている。
・代替品について：ファストファッションやリサイクル商品など、代替品の選択肢が増えており、消費者の選択肢が広がっている。これにより、価格競争が一層激化している。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の売上高は61億1百万円で前年同期比1.9％減少した。営業利益は6億38百万円で前年同期比15.3％減少、経常利益は7億21百万円で12.0％減少した。一方、親会社株主に帰属する四半期純利益は5億83百万円で前年同期比35.3％増加した。業績の減少は主にアパレル事業の売上減少によるもので、特に秋冬商材の立ち上がりに苦戦したことが影響している。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高870億円、営業利益112億円、経常利益118億円、親会社株主に帰属する当期純利益78億円を見込んでいる。リスク要因としては、物価上昇による消費者の購買意欲の低下や、国際情勢の不安定さが挙げられる。また、新ブランド「LETICIA」の展開が成功するかどうかも重要なポイントとなる。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当額は18円で、前期から変更はない。配当の維持は、利益剰余金の増加に基づいており、株主還元を重視する姿勢が見られる。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率も当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。