アルプスアルパインの決算短信<2025年３月期第３四半期決算短信〔日本基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

アルプスアルパイン株式会社は、車載市場、モバイル市場、民生市場向けに製品・サービスを提供している。主なセグメントはコンポーネント事業、センサー・コミュニケーション事業、モジュール・システム事業である。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：車載市場では新車販売が増加しており、特にTier2ビジネスが拡大している。モバイル市場では大手スマートフォンメーカー向けの需要が堅調で、民生市場ではゲーム機器や電子部品の需要が増加している。
・競争における供給の状況：供給側では、円安が影響し、輸出競争力が向上しているが、主要顧客の低迷が影響を及ぼしている。
・既存競合他社について：競合他社は、特に車載市場において新技術の導入や製品の多様化を進めており、競争が激化している。
・新規参入企業について：新規参入企業は、特にテクノロジー系スタートアップが多く、革新的な製品を持ち込むことで市場シェアを狙っている。
・代替品について：代替品としては、他の電子部品メーカーの製品や新興技術が挙げられ、特に自動運転技術の進展が影響を与えている。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の連結業績は、売上高740,616百万円（前年同期比0.7％増）、営業利益25,295百万円（前年同期比22.9％増）、経常利益24,459百万円（前年同期比2.2％増）、親会社株主に帰属する四半期純利益9,912百万円である。前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失が20,376百万円であったため、業績は大きく改善している。業績予想との乖離は、特に営業利益が予想を上回ったことが要因である。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の連結業績予想は、売上高980,000百万円（前期比1.7％増）、営業利益28,000百万円（前期比42.1％増）、経常利益24,000百万円（前期比△3.3％減）、親会社株主に帰属する当期純利益32,000百万円である。モバイル市場向け製品の好調が見込まれる一方、主要顧客の新車販売の低迷がリスク要因として挙げられる。為替変動も業績に影響を与える可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の年間配当金は60.00円（前期比30.00円増）を予定している。配当額の増加は、業績改善に伴う株主還元の一環として行われる。自社株買いについての具体的な情報は記載されていないが、今後の業績に応じた株主還元策が期待される。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「上昇」と予想する。業績が改善し、次期業績予想も堅調であるため、投資家の期待感が高まると考えられる。特に、モバイル市場向け製品の需要が好調であることが株価を押し上げる要因となるだろう。