味の素の決算短信<2025年3月期 第3四半期決算短信〔IFRS〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は、調味料・食品、冷凍食品、ヘルスケア等、その他のセグメントから構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：調味料・食品セグメントは、健康志向の高まりや家庭での料理需要の増加により需要が堅調。冷凍食品は、利便性の向上に伴い需要が増加している。ヘルスケア等は、健康意識の高まりから需要が拡大している。
・競争における供給の状況：競合他社も新製品の投入や価格競争を行っており、供給過剰の傾向が見られる。特に冷凍食品市場では、競争が激化している。
・既存競合他社について：主要な競合には、日清食品やキユーピーなどがあり、各社ともに新商品開発やマーケティング戦略を強化している。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、健康食品やオーガニック製品を扱う企業が増加しており、競争が激化する可能性がある。
・代替品について：代替品としては、家庭での自炊や他社製品が挙げられ、特に健康志向の高い消費者に対しては、オーガニックや無添加の製品が人気を集めている。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の売上高は1,151,035百万円で前年同期比7.8%増、事業利益は138,201百万円で11.0%増。前年同期と比較して、調味料・食品セグメントの増収が寄与した。冷凍食品セグメントは、戦略的費用の増加により減益となったが、全体としては堅調な業績を維持している。業績予想との乖離は見られず、修正は行われていない。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高1,532,500百万円、事業利益160,000百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益95,000百万円を見込んでいる。リスク要因としては、原材料費の高騰や為替変動が挙げられ、特に海外市場での影響が懸念される。

4. 投資に関する事項

配当は、2025年3月期の予想配当額は80.00円で、前期からの増配が見込まれている。増配の理由は、業績の向上と株主還元の強化を図るためである。自社株買いについては、特に言及されていない。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率も当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。