神栄の決算短信<2025年３月期　第３四半期決算短信〔日本基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

神栄株式会社は、食品関連、物資関連、電子関連、事業開発関連の4つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内経済の正常化に伴い、食品需要は回復傾向にあるが、外食産業では人手不足が影響している。物資関連では、半導体不足の緩和が期待されるが、地域によって需要にばらつきが見られる。電子関連では、民生市場の需要低迷が続いている。
・競争における供給の状況：供給側では、原材料費の高騰や物流コストの上昇が続いており、特に食品関連では仕入コストが影響している。物資関連では、輸出数量のばらつきが見られ、特に中国経済の減速が影響を与えている。
・既存競合他社について：競合他社は、食品関連では品質管理やコスト競争力を強化しており、物資関連では新規事業の開発に注力している。電子関連では、半導体不足の影響を受けた企業が多い。
・新規参入企業について：新規参入企業は、特に食品関連や電子関連での技術革新を背景に増加しており、競争が激化している。
・代替品について：代替品の影響は、特に食品関連で顕著であり、冷凍食品市場では価格高騰による消費低迷が見られる。物資関連では、代替品の選択肢が増えているが、品質やコストの面での競争が続いている。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の連結業績は、売上高30,144百万円（前年同期比3.0％減）、営業利益1,085百万円（前年同期比27.1％減）、経常利益1,196百万円（前年同期比24.9％減）、親会社株主に帰属する四半期純利益1,005百万円（前年同期比21.5％減）であった。業績の減少は、繊維事業からの撤退や物資関連の新規案件の遅延が影響している。前期と比較して、全体的に利益が減少しており、業績予想とも乖離が見られる。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高40,200百万円（前期比0.0％減）、営業利益1,350百万円（前期比24.7％減）、経常利益1,400百万円（前期比26.7％減）、親会社株主に帰属する当期純利益1,300百万円（前期比21.5％減）である。リスク要因としては、食品関連の冷凍水産加工品の販売不振や物資関連の新規調査案件の遅延が挙げられる。円安の影響による仕入コストの上昇も懸念されている。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の期末配当として1株当たり90円を予想している。前期からの変更はなく、安定した配当政策を維持する方針である。配当額の維持は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上によるものである。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。