日本取引所グループの決算短信<2025年３月期 第３四半期決算短信〔ＩＦＲＳ〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は日本取引所グループであり、主なビジネスセグメントは取引関連収益、清算関連収益、上場関連収益、情報関連収益、その他の営業収益で構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：日本の株式市場は活発であり、特に現物取引の需要が高まっている。投資家のリスク選好が改善し、取引量が増加している。
・競争における供給の状況：競合他社も増えており、特に新興市場や海外取引所との競争が激化している。取引手数料の引き下げやサービスの多様化が求められている。
・既存競合他社について：東京証券取引所や大阪取引所などが主要な競合であり、各社は取引手数料やサービスの向上に注力している。
・新規参入企業について：新たなフィンテック企業が市場に参入しており、特にデジタル資産や暗号通貨関連の取引所が注目を集めている。
・代替品について：株式取引の代替として、ETFやREITなどの金融商品が人気を集めており、これらの取引も増加している。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の連結業績は、営業収益が1215億91百万円で前年同期比8.9％増、営業利益は694億41百万円で5.1％増、四半期利益は469億67百万円で0.8％増となった。前期と比較して、営業利益の成長率が鈍化しているが、全体的には堅調な成長を維持している。業績予想との乖離は特に見られない。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の業績予想は、営業収益1590億円、営業利益860億円、四半期利益595億円を見込んでいる。リスク要因としては、国内外の経済情勢の変化、金利の上昇、競争の激化が挙げられる。特に、海外市場の動向が影響を与える可能性が高い。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の期末配当金は17円を予想している。前期からの変更はなく、配当性向は60％程度を目指している。内部留保の重要性を考慮しつつ、業績に応じた配当を実施する方針である。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率も当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。