大豊建設の決算短信<2025年3月期第3四半期決算短信〔日本基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

大豊建設株式会社は、土木事業、建築事業、その他の事業というセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内外での公共事業や民間投資が堅調に推移しているが、特に海外市場での受注が大幅に増加している。特に中東地域でのインフラ投資が活発化しており、今後の成長が期待される。
・競争における供給の状況：原材料価格の上昇や労働力不足が影響し、建設コストが上昇している。これにより、競争力を維持するためのコスト管理が重要な課題となっている。
・既存競合他社について：国内の大手建設会社が競争相手であり、特に技術力やコスト競争力が求められる。競合他社も同様の課題に直面しており、差別化が難しい状況である。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、特にIT技術を活用した建設業務の効率化を図るスタートアップが注目されている。これにより、従来の業務プロセスが変化する可能性がある。
・代替品について：建設業界における代替品は少ないが、プレファブ建築や3Dプリンティング技術の進展により、従来の建設方法に対する競争が生じる可能性がある。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の連結業績は、売上高104,326百万円（前年同期比10.8％減）、営業利益2,470百万円、経常利益2,635百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益1,912百万円となった。前年同期は営業利益144百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失1,020百万円であった。売上高の減少は、主に原材料価格の上昇や労働力不足による建設コストの影響である。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高145,000百万円（前年同期比11.2％減）、営業利益5,900百万円、経常利益5,900百万円、親会社株主に帰属する当期純利益4,000百万円を見込んでいる。リスク要因としては、原材料価格のさらなる上昇や労働力不足の継続、国際情勢の不安定さが挙げられる。これらが業績に与える影響を注視する必要がある。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当金は114.00円であり、前期からの大幅な増加が見込まれている。これは、業績回復に伴う株主還元の一環として位置付けられている。配当額の変更理由は、利益剰余金の増加によるものである。

5. 株価予想

上記を考慮し、向こう3ヶ月以内の株価変化は「上昇」と予想する。業績が回復基調にあり、配当の増加が期待されるため、投資家の関心が高まると考えられる。