スズケンの決算短信<2025年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は医薬品卸売事業、ヘルスケア製品開発事業、地域医療介護支援事業、医療関連サービス等事業の4つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：医療用医薬品市場は抗悪性腫瘍剤やスペシャリティ医薬品の需要が高まっており、特に新薬の上市が需要を押し上げている。高齢化社会の進展に伴い、医療サービスの需要も増加している。
・競争における供給の状況：医薬品の供給は安定しているが、原材料価格の高騰や物流コストの上昇が影響を及ぼしている。特に、流通改善ガイドラインの改訂により、供給体制の見直しが求められている。
・既存競合他社について：競合他社は多く、特に大手医薬品卸売業者が市場シェアを持っている。競争が激化しており、価格競争やサービスの差別化が求められている。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、デジタルヘルス分野においては新興企業が増加しており、競争が激化する可能性がある。
・代替品について：代替品としては、ジェネリック医薬品やOTC医薬品が存在し、価格競争が影響を与えている。特に、患者の自己管理が進む中で、OTC医薬品の需要が増加している。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の連結業績は、売上高1兆8,386億70百万円（前年同期比1.3%増）、営業利益297億99百万円（同12.4%増）、経常利益309億14百万円（同6.4%増）、親会社株主に帰属する四半期純利益306億72百万円（同20.3%増）となった。新型コロナウイルス関連商材の売上が減少したものの、医療用医薬品市場の成長や新薬の寄与により増収を達成した。前期との比較では、売上高は増加したが、営業利益の増加率は前年よりも高い。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の連結業績予想は、売上高239万1,000百万円（前年同期比0.2%増）、営業利益33,600百万円（同3.7%減）、経常利益34,300百万円（同10.6%減）、親会社株主に帰属する当期純利益33,300百万円（同14.8%増）とされている。新薬の上市や医療用医薬品市場の成長が期待される一方で、原材料価格の高騰や物流コストの上昇がリスク要因として挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の年間配当金は100円（前期80円）を予定しており、安定的な配当の継続を基本とする方針が示されている。自己株式の取得や消却も決議されており、株主還元の充実を図る姿勢が見られる。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。