エブレンの決算短信<2025年３月期第３四半期決算短信〔日本基準〕(連結)>銘柄分析

1. 環境分析

エブレン株式会社は、産業用電子機器及び工業用コンピュータの設計・製造・販売を行っている。セグメントは単一であり、主に計測・制御、通信・放送、電子応用、交通関連、防衛関連の分野に分かれる。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：世界経済は緩やかな回復基調にあるが、金融引締めや地政学リスクの影響で先行きは不透明。特に半導体製造装置の需要は、中国向けレガシー装置の好調が見られるものの、全体的には減少傾向。
・競争における供給の状況：供給側では、半導体製造装置の供給が増加しているが、顧客の在庫調整が進んでおり、新規注文の再開が期待される。
・既存競合他社について：競合他社も同様の市場環境に直面しており、特に半導体関連企業は競争が激化している。
・新規参入企業について：新規参入企業の動向は不明だが、技術革新が進む中で新たな競争相手が出現する可能性がある。
・代替品について：代替品の影響は限定的だが、技術の進化により新たな製品が市場に登場する可能性がある。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の連結業績は、売上高3,028百万円（前年同四半期比1.8％減）、営業利益335百万円（前年同四半期比18.0％減）、経常利益344百万円（前年同四半期比16.2％減）、親会社株主に帰属する四半期純利益230百万円（前年同四半期比16.1％減）となった。業績の減少は、主に計測・制御分野の売上高減少によるもので、前期との差異は顕著である。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の業績予想は、売上高4,100百万円（対前期増減率2.8％）、営業利益530百万円（9.1％増）、経常利益530百万円（8.1％増）、親会社株主に帰属する当期純利益350百万円（5.4％増）とされている。リスク要因としては、世界的な金融引締めや資源・原材料価格の高騰、地政学リスクが挙げられる。これらの要因が業績に与える影響は大きく、特に新規注文の動向が重要である。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当金は40.00円であり、前期からの増加が見込まれている。配当額の変更理由は、業績の回復を見込んでの株主還元策として位置付けられている。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。