東京瓦斯の決算短信<2025年３月期 第３四半期決算短信〔日本基準〕(連結)>銘柄分析

1. 環境分析

東京瓦斯株式会社は、主に都市ガスの供給を行う企業であり、エネルギー・ソリューション、ネットワーク、海外、都市ビジネスの4つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：家庭用の都市ガス需要は高気温の影響で減少したが、他事業者向け供給は増加した。電力販売においては、小売の件数が増加しているが、卸供給先の需要は減少している。
・競争における供給の状況：原油価格の上昇に伴い、原材料費が増加しているため、供給コストが上昇している。これにより、価格競争が激化する可能性がある。
・既存競合他社について：都市ガス市場には複数の競合他社が存在し、価格競争が続いている。特に、電力自由化に伴い、電力事業者との競争が激化している。
・新規参入企業について：エネルギー市場の自由化により、新規参入企業が増加している。特に再生可能エネルギーを扱う企業が注目されている。
・代替品について：電気や再生可能エネルギーが代替品としての役割を果たしており、特に家庭用エネルギーの選択肢が増えている。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の連結業績は、売上高が1,843,721百万円で前年同期比3.1％減少した。営業利益は72,954百万円で55.2％減、経常利益は68,517百万円で59.8％減、親会社株主に帰属する四半期純利益は36,591百万円で68.3％減少した。業績の悪化は、原材料費の増加や家庭用需要の減少が主な要因である。前期との差は顕著であり、業績予想との乖離も大きい。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の業績予想は、売上高が2,689,000百万円で0.9％の増加を見込んでいるが、営業利益は117,000百万円で46.9％の減少を予想している。経常利益は103,000百万円で54.9％減、親会社株主に帰属する当期純利益は72,000百万円で57.6％減少する見込みである。リスク要因としては、原油価格の変動や為替レートの影響が挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当金は70.00円であり、前期から変更はない。配当の維持は、安定したキャッシュフローを背景にしているが、業績の悪化が続く場合には将来的な配当の見直しが必要となる可能性がある。

5. 株価予想

業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は「横ばい」と予想される。市場の動向や競争環境の変化により、株価は安定しない可能性もあるが、現時点では大きな変動は見込まれない。