シーティーエスの決算短信<2025年３月期 第３四半期決算短信〔日本基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は、建設業界向けにデジタルデータサービス（DDS）および測量計測システム（SMS）を提供している。主なセグメントは、DDS事業、SMS事業、その他の事業である。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：公共投資は国土強靭化計画に基づく防災対策により堅調だが、資材価格の高騰や人手不足が影響し、工事量はやや減少傾向。民間投資は全体的に堅調だが、同様の要因が影響している。
・競争における供給の状況：競合他社も同様のサービスを提供しており、特にICT関連サービスの需要が高まっている。供給側では、技術革新が進んでおり、競争が激化している。
・既存競合他社について：競合には、同様のデジタルサービスを提供する企業が多く、特に大手ゼネコンが強力な競争相手となっている。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、技術革新により新たなビジネスモデルを持つ企業が出現する可能性がある。
・代替品について：代替品としては、従来のアナログ手法や他のITサービスが考えられるが、デジタル化の進展により需要は減少傾向にある。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の売上高は8,937百万円で前年同期比8.4％増、営業利益は2,320百万円で同8.8％増、経常利益は2,365百万円で同11.5％増、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,606百万円で同12.8％増となった。業績は、既存顧客からの受注が堅調に推移したことが要因である。前期との差異として、売上高は計画通りに推移しており、業績予想との乖離は見られない。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高12,000百万円、営業利益3,000百万円、経常利益2,950百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,980百万円である。リスク要因としては、資材価格の高騰や人手不足、建設業における働き方関連法の影響が挙げられる。これらの要因が業績に与える影響を注視する必要がある。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当額は25.00円であり、前期からの変更はない。自己株式の取得及び消却を行っており、株主還元に積極的な姿勢を示している。配当額の変更がない理由は、安定した利益基盤を維持しているためである。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。