ＮＥＣキャピタルソリューションの決算短信<2025年３月期第３四半期決算短信〔日本基準〕(連結)>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業はリース業界に属し、主にリース事業、ファイナンス事業、インベストメント事業、その他の事業の4つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：リース業界全体の取扱高は前年同期比11.1％増加しており、特に官公庁向けの案件が好調である。企業の設備投資意欲も回復傾向にあり、リース需要は堅調に推移している。
・競争における供給の状況：リース業界の競争は激化しており、特に大手企業が新たなサービスを展開する中で、価格競争が進行している。新規参入企業も増加しており、競争環境は厳しい。
・既存競合他社について：主要な競合には大手リース会社が存在し、彼らは資金調達力や顧客基盤の強さを活かして市場シェアを拡大している。特に、昭和リースとの提携により、シナジー効果を狙う動きが見られる。
・新規参入企業について：新規参入企業は主にテクノロジーを活用したサービスを提供しており、従来のリース業務に革新をもたらす可能性がある。特にフィンテック企業の進出が目立つ。
・代替品について：リースの代替品としては、購入やレンタルサービスが考えられる。特に短期的なニーズに応えるレンタルサービスの需要が高まっており、リース業界に影響を与えている。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の連結業績は、売上高1895億38百万円（前年同期比1.1％増）、営業利益64億5百万円（同11.7％減）、経常利益82億68百万円（同19.5％増）、親会社株主に帰属する四半期純利益59億32百万円（同69.0％増）であった。営業利益の減少は、資金原価やシステム関連費用の増加によるものである。前年同期に比べ、経常利益は増加したが、営業利益は減少したため、業績予想との乖離が見られる。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高2600億円（前年同期比1.6％増）、営業利益120億円（同2.6％増）、経常利益125億円（同5.8％増）、親会社株主に帰属する当期純利益80億円（同13.7％増）とされている。業績成長の根拠としては、官公庁向けの案件増加や新規事業の展開が挙げられる。ただし、リスク要因としては、為替変動や資金調達コストの上昇、国内外の政局不安が影響を及ぼす可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の配当予想が75円（前年同期比増配）とされており、合計150円となる見込みである。配当額の増加は、業績の改善に伴う株主還元の一環として位置付けられている。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。