りそなホールディングスの決算短信<2025年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は、銀行信託業務、クレジットカード業務、リース業務などの金融サービスを提供している。セグメント情報としては、個人部門、法人部門、市場部門がある。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内経済の回復に伴い、企業の資金需要が増加している。特に中小企業向けの融資需要が高まっており、個人向けの住宅ローンも堅調に推移している。
・競争における供給の状況：金融機関間の競争が激化しており、特に低金利での融資を提供する新興金融機関が増加している。これにより、既存の金融機関は金利競争に巻き込まれている。
・既存競合他社について：大手銀行や地方銀行が主要な競合であり、特に大手銀行は資本力を背景に多様な金融商品を提供している。地方銀行は地域密着型のサービスを強化している。
・新規参入企業について：フィンテック企業の参入が目立ち、特にデジタルバンキングやオンライン融資サービスを提供する企業が増加している。これにより、従来の銀行業務に変革が求められている。
・代替品について：クラウドファンディングやP2Pレンディングなどの新しい資金調達手段が台頭しており、特に若年層を中心に人気を集めている。これにより、従来の銀行融資の需要が影響を受ける可能性がある。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の連結業績は、経常収益が809,548百万円、経常利益が237,543百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が169,181百万円であった。前年同期比で経常収益は21.2%増、経常利益は49.1%増、四半期純利益は48.2%増となった。前期に比べて業績が大幅に改善した要因は、貸出金平残の増加と利回りの上昇による国内預貸金利益の増加、法人ソリューション業務や承継関連業務のフィー収益の伸長である。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の連結業績目標は、親会社株主に帰属する当期純利益175,000百万円、1株当たり当期純利益75.81円である。業績予想の根拠としては、国内経済の回復に伴う融資需要の増加が挙げられる。ただし、外部環境に起因する不確実性が存在し、特に金利の変動や規制の影響がリスク要因として懸念される。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当額は1株当たり23.00円であり、前期からの増配が見込まれている。増配の理由は、業績の改善に伴う利益剰余金の増加である。自社株買いについての具体的な情報は記載されていないが、株主還元の方針が示されている。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「上昇」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であれば、株価の反応は「横ばい」となるが、業績の改善が続くことから上昇が期待される。