エクセディの決算短信<2025年３月期 第３四半期決算短信〔ＩＦＲＳ〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は以下のセグメントでビジネスを展開している。

- MT（手動変速装置関連事業）

- AT（自動変速装置関連事業）

- TS（産業機械用駆動伝導装置事業）

- その他

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：自動車業界全体の需要は回復傾向にあるが、特に電動化の進展により、従来の内燃機関向け部品の需要は減少している。特にAT事業では受注減少が見られ、競争が激化している。
・競争における供給の状況：原材料価格の上昇が影響し、供給側もコスト圧力に直面している。円安の影響で輸入コストが増加し、供給の安定性が脅かされている。
・既存競合他社について：競合他社はコスト削減や技術革新を進めており、特に電動化に対応した製品開発に注力している。競争が激化する中で、価格競争が発生している。
・新規参入企業について：新規参入企業は主に電動化関連の技術を持つ企業が多く、特にスタートアップ企業が注目されている。これにより、従来の競争環境が変化している。
・代替品について：電動車両の普及に伴い、従来の内燃機関向け部品の代替品として電動モーターやバッテリーが台頭している。これにより、需要のシフトが進んでいる。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の業績は、売上収益が233,383百万円（前年同期比0.6％増）、営業利益が16,183百万円（前年同期比40.4％増）、親会社の所有者に帰属する四半期利益が10,175百万円（前年同期比24.0％増）となった。売上収益の増加は原材料価格上昇分の売価への転嫁や円安による為替換算影響によるものである。前期との比較では、営業利益が大幅に増加したが、売上収益の伸びは緩やかであった。業績予想との乖離は特に見られない。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上収益300,000百万円（前年比-2.7％）、営業利益19,000百万円（前年比変わらず）とされている。業績予想の根拠としては、円安の進行や原材料価格の安定が挙げられるが、受注減少や競争激化がリスク要因として懸念されている。特に、為替レートが1米ドル152円を想定しているため、為替変動が業績に与える影響が大きい。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の期末配当予想が150.00円に引き上げられ、合計250.00円となる見込みである。前期からの増配は、業績の改善を反映したものであり、株主還元の意向が示されている。自己株式の取得も行われており、株主還元策が強化されている。

5. 株価予想

上記の業績や市場環境を考慮すると、向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率も当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は安定すると考えられる。