ＡＺ−ＣＯＭ丸和ホールディングスの決算短信<2025年３月期 第３四半期決算短信〔日本基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は、物流事業を中心に、EC物流、低温食品物流、医薬・医療物流などのセグメントを展開している。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内経済の緩やかな回復に伴い、個人消費が上向いている。特にEC市場の拡大が需要を押し上げており、物流業界全体での需要増加が見込まれる。
・競争における供給の状況：物流業界では、労働力不足やコスト上昇が影響し、供給側の圧力が高まっている。特に燃料費や人件費の上昇が企業の利益を圧迫している。
・既存競合他社について：競合他社は、同様にEC物流や低温食品物流に注力しており、価格競争が激化している。特に大手企業が市場シェアを拡大する中、中小企業は厳しい競争に直面している。
・新規参入企業について：新規参入企業は、特にテクノロジーを活用した効率的な物流サービスを提供することで市場に挑戦している。これにより、既存企業はサービスの差別化を図る必要がある。
・代替品について：代替品としては、ドローン配送や自動運転車両などの新技術が挙げられる。これらの技術が普及すれば、従来の物流サービスに対する需要が減少する可能性がある。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の業績は、売上高157,644百万円（前年同四半期比5.0％増）であったが、営業利益は8,944百万円（同22.7％減）、経常利益は9,402百万円（同22.1％減）、親会社株主に帰属する四半期純利益は5,958百万円（同19.9％減）となり、増収減益の結果となった。前年同期に比べ、株式公開買付関連費用が影響し、利益が大きく減少した。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の業績予想は、売上高207,000百万円（前年比4.3％増）、営業利益11,200百万円（同19.1％減）、経常利益11,700百万円（同19.3％減）、親会社株主に帰属する当期純利益7,700百万円（同15.6％減）とされている。業績予想に変更はなく、リスク要因としては、コスト上昇や労働力不足が挙げられる。特に、物流業界の働き方改革に伴う影響が懸念される。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当額は32.00円であり、前期からの増配が見込まれている。これは、利益剰余金の増加を背景にした株主還元策の一環である。配当の変更はなく、安定した配当政策が維持される見込み。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。