日立建機の決算短信<2025年３月期 第３四半期決算短信〔ＩＦＲＳ〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

日立建機株式会社は、建設機械ビジネスとスペシャライズド・パーツ・サービスビジネスの2つの主要セグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：北米や西欧では金利の高止まりにより油圧ショベルの需要が減少しているが、東南アジアやインドでは需要が持ち直しつつある。中国では需要が底打ちし、わずかに増加する見込み。
・競争における供給の状況：供給側では、原材料費の高騰や人件費の増加が影響しており、企業はコスト削減や販売価格の引き上げを進めている。
・既存競合他社について：競合他社も同様の市場環境に直面しており、特に北米市場ではシェア争いが激化している。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、特にアジア市場では新興企業が増加しており、競争が激化する可能性がある。
・代替品について：代替品としては、電動機械や自動化技術を用いた機械が挙げられ、これらの技術革新が市場に影響を与える可能性がある。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の売上収益は991,277百万円で、前年同期比で1.7%の減少。調整後営業利益は104,488百万円で、15.0%の減益。親会社株主に帰属する四半期利益は61,878百万円で、12.9%の減少。前期との比較では、売上収益が減少した主な要因は、北米や西欧での需要減少と物量の減少によるもの。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上収益1,350,000百万円、調整後営業利益151,000百万円、親会社株主に帰属する当期利益84,000百万円を見込んでいる。リスク要因としては、金利高の影響による需要減少や、原材料費の高騰が挙げられる。新興国での需要回復が期待されるが、全体的には減収減益を見込んでいる。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当額は175.00円で、前期からの変更はない。配当の維持は、安定したキャッシュフローを背景にしたものであり、株主還元を重視している。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率も当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。