エスティックの決算短信<2025年３月期 第３四半期決算短信〔日本基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業はネジ締付装置、同部品及びネジ締付工具の製造・販売を主な事業とし、単一セグメントで展開している。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内市場では大型設備投資が堅調で、ナットランナの売上が当初計画を上回る状況。ハンドナットランナはEV需要の鈍化により短期的な需要先送りが見られるが、全体的には堅調。米国市場では上期の遅れが影響し前年比マイナスだが、徐々に回復傾向。中国市場では日系自動車メーカーの撤退により市場環境が厳しいが、現地系EVメーカーの設備投資は活発。
・競争における供給の状況：供給側では、円安や資源高の影響で原材料価格が高騰している。これにより、利益率が圧迫される可能性がある。
・既存競合他社について：競合他社は、特にEV関連の設備投資に注力しており、競争が激化している。特に中国市場では、現地系メーカーとの競争が厳しい。
・新規参入企業について：新規参入企業の動向は不明だが、EV市場の成長に伴い、新たな競合が出現する可能性がある。
・代替品について：代替品の影響は限定的だが、技術革新により新たな製品が市場に登場する可能性がある。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の売上高は5,776百万円で前年同期比20.3％増、営業利益は1,153百万円で12.4％増、経常利益は1,154百万円で5.9％増、親会社株主に帰属する四半期純利益は781百万円で2.6％増。前年同期と比較して、売上高は大幅に増加したが、営業利益率は微減した。業績予想との乖離は特に見られない。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の業績予想は、売上高7,876百万円、営業利益1,620百万円、経常利益1,637百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,146百万円を見込んでいる。リスク要因としては、円安や原材料価格の高騰、EV需要の不透明感が挙げられる。特に、米国市場の投資計画の先延ばしや、中国市場の競争激化が影響を及ぼす可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当金は27.00円であり、前期からの増加が見込まれている。配当額の変更理由は、業績の改善に伴う株主還元の強化と考えられる。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。