ＪＳＰの決算短信<2025年３月期　第３四半期決算短信〔日本基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は、発泡プラスチック業界に属し、主に押出事業とビーズ事業の2つのセグメントで構成されている。押出事業では食品容器用の発泡ポリスチレンシートや建築土木資材製品を扱い、ビーズ事業では発泡ポリプロピレンや発泡性ビーズ製品を提供している。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内外での需要は回復傾向にあるが、自動車分野では一部メーカーの生産停止が影響し、全体的には厳しい状況が続いている。特に水産・農業分野向けの需要回復が鈍化している。
・競争における供給の状況：原材料価格の高騰が続いており、供給コストが上昇している。これにより、企業は価格改定を余儀なくされている。
・既存競合他社について：競合他社も同様の原材料価格の影響を受けており、価格競争が激化している。特に、環境対応型製品の開発が進んでいる企業が増えている。
・新規参入企業について：環境意識の高まりに伴い、新規参入企業が増加している。特に、サステナビリティを重視した製品を提供する企業が注目を集めている。
・代替品について：プラスチックの代替品として、バイオマスプラスチックや紙製品の需要が増加している。これにより、従来のプラスチック製品の需要が減少する可能性がある。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の売上高は108,290百万円で前年同期比5.7％増加したが、営業利益は5,739百万円で同10.7％減少した。経常利益は6,450百万円で同5.9％減少し、親会社株主に帰属する四半期純利益は4,906百万円で同8.9％減少した。業績の悪化は、付加価値の高い製品の販売減少が主な要因である。前期との比較では、売上高は増加したものの、利益面では減少が目立つ。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高142,000百万円、営業利益6,600百万円、経常利益7,400百万円、親会社株主に帰属する当期純利益5,200百万円と修正された。主なリスク要因として、産業用包装材や自動車分野の需要回復が遅れていることが挙げられる。また、為替の変動や金利の上昇も影響を及ぼす可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当額は40.00円で、合計80.00円となる見込みである。前期からの変更はなく、安定した配当政策を維持している。配当額の維持は、企業の収益力を反映していると考えられる。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率も当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。