ニッキの決算短信<2025年3月期　第３四半期決算短信［日本基準］（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は以下のセグメントで構成されている。ガス機器事業、汎用機器事業、自動車機器事業、産業機器事業、不動産賃貸事業。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：北米市場における在庫調整の長期化が影響し、需要が落ち込んでいる。特に、フォークリフト関連部品の需要減少が顕著である。
・競争における供給の状況：供給側では、エネルギー・原材料価格の高止まりが影響し、コストが上昇している。これにより、価格競争が激化している。
・既存競合他社について：競合他社も同様の市場環境に直面しており、特に北米市場では競争が激化している。競合他社はコスト削減や新製品開発に注力している。
・新規参入企業について：新規参入企業の動きは鈍いが、特定のニッチ市場においては新規参入が見られる。特に、環境配慮型製品に対する需要が高まっているため、関連企業の参入が予想される。
・代替品について：代替品の脅威は高まっており、特にエネルギー効率の良い製品や新技術を用いた製品が市場に登場している。これにより、既存製品の需要が減少する可能性がある。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の連結業績は、売上高が63億6千1百万円で前年同期比11.8％減少した。営業利益は6億3千1百万円で41.8％減少、経常利益は7億2千6百万円で48.5％減少、親会社株主に帰属する四半期純利益は5億4百万円で55.0％減少した。業績の悪化は、北米市場における需要の落ち込みや新商品開発費の先行負担が主な要因である。前期との比較では、全体的に減少傾向が見られ、業績予想との乖離も大きい。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高が84億円で前年同期比10.2％減少、営業利益は6億8千万円で24.8％減少、経常利益は6億7千万円で47.6％減少、親会社株主に帰属する当期純利益は5億円で77.2％減少する見込みである。リスク要因としては、エネルギー価格の高止まり、為替変動、海外市場の不安定性が挙げられる。特に、北米市場の在庫調整が続く場合、業績にさらなる影響を及ぼす可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当は110円で、前期と同額を維持する見込みである。配当維持の理由は、安定した利益剰余金の増加に基づくものであり、株主還元を重視する姿勢が示されている。

5. 株価予想

上記を考慮し、向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であれば、株価の反応は横ばいであると考えられる。