ニチダイの決算短信<2025年３月期　第３四半期決算短信〔日本基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は金型事業、精密部品事業、フィルタ事業の3つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：日系自動車業界の認証不正問題により、国内外の自動車生産台数が低調であるが、精密部品事業は主力製品の需要回復が見られ、全体的には安定した需要がある。
・競争における供給の状況：供給側では、原材料の価格上昇や供給チェーンの混乱が影響を及ぼしているが、企業は経費削減策を講じている。
・既存競合他社について：競合他社は同様の市場環境に直面しており、特に金型事業では価格競争が激化している。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、技術革新を持つ企業が参入する可能性があるため、注意が必要である。
・代替品について：代替品の脅威は低いが、特にフィルタ事業においては新技術の開発が進んでいるため、競争が激化する可能性がある。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の連結業績は、売上高861億4131万円、営業利益8300万円、経常利益1億1883万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は1400万円である。前年同期比で売上高は4.1%増加したが、営業利益は前年の営業損失からの回復を示している。業績予想との乖離は特に見られない。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の連結業績予想は、売上高119億円、営業利益8000万円、経常利益1億円、親会社株主に帰属する当期純利益5000万円である。主な根拠は、精密部品事業の需要回復とフィルタ事業の海外需要の増加である。ただし、米国の関税政策や金利見通し、各国の金融政策がリスク要因として挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当は1株あたり6.00円であり、前期からの変更はない。配当の維持は、安定した業績回復を反映している。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率も当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいである。