マキタの決算短信<2025年3月期　第3四半期決算短信〔ＩＦＲＳ〕(連結)>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は、電動工具や園芸機器を中心とした製品を提供している。主なセグメントは、国内市場、欧州市場、北米市場、アジア市場、中南米市場、オセアニア市場、中近東・アフリカ市場である。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：住宅市場の低迷や建設市場への投資抑制が影響し、全体的な需要は厳しい状況にある。特に北米では金利高が住宅投資を鈍化させている。
・競争における供給の状況：供給側では、各国の金融引き締めが影響し、原材料価格の高騰が続いている。これにより、コスト管理が重要な課題となっている。
・既存競合他社について：競合他社は、価格競争や新製品の投入を通じて市場シェアを拡大しようとしている。特に、欧州や北米市場では競争が激化している。
・新規参入企業について：新規参入企業は、特にオンライン販売を通じて市場に参入しており、価格競争を引き起こしている。これにより、既存企業は競争力を維持するための戦略を見直す必要がある。
・代替品について：代替品としては、手動工具や他の電動工具メーカーの製品が挙げられる。特に、低価格帯の製品が市場での競争を激化させている。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の連結業績は、売上収益568,555百万円、営業利益82,334百万円、税引前利益83,742百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益61,843百万円であった。前年同期比で売上は3.3％増、営業利益は71.4％増、税引前利益は81.6％増、親会社の所有者に帰属する四半期利益は89.5％増となった。前期との比較では、特に利益面での改善が顕著であり、コスト削減や為替の影響が寄与した。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上収益730,000百万円、営業利益99,000百万円、税引前利益99,000百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益72,000百万円である。リスク要因としては、引き続き厳しい販売環境や為替変動が挙げられる。特に、米ドルやユーロの為替レートが業績に与える影響が大きい。

4. 投資に関する事項

配当については、年間配当金が20円に設定されている。前期から当期にかけて配当額が変更される場合、その理由は業績の改善に基づくものである。総還元性向は35％以上を目指しており、今後の取締役会での決定が期待される。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は安定すると考えられる。