カナデンの決算短信<2025年３月期 第３四半期決算短信 [日本基準] （連結）>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は以下のセグメントで構成されている。

- FAシステム事業

- ビル設備事業

- インフラ事業

- 情通・デバイス事業

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：企業の設備投資は回復傾向にあるが、中国経済の成長鈍化や欧米の金融政策の影響で需要はまだら模様。特にFAシステム事業では、コントローラシステムや駆動制御機器の需要が低調である。
・競争における供給の状況：供給側では、サプライチェーンの在庫調整が長期化しており、供給の安定性が課題となっている。特に電子部品の供給が不安定で、価格上昇が懸念される。
・既存競合他社について：競合他社は、同様の市場環境に直面しており、特に中国企業との競争が激化している。技術革新やコスト競争力が求められる中、競争が一層厳しくなっている。
・新規参入企業について：新規参入企業は、特にデジタル化やIoT関連の分野で増加しており、既存企業にとって脅威となる可能性がある。特にスタートアップ企業が新しい技術を持ち込むことで市場シェアを奪うリスクがある。
・代替品について：代替品の存在は、特にFAシステム事業において顕著であり、低価格の製品や新技術を持つ製品が市場に出回っている。これにより、価格競争が激化している。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の連結業績は、売上高79,400百万円、営業利益2,024百万円、経常利益2,383百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益1,828百万円であった。前年同期比で売上高は1.2%減、営業利益は22.1%減、経常利益は18.0%減、四半期純利益は5.9%減となった。業績の悪化は、特に情通・デバイス事業における大口案件の剥落や、FA分野の在庫調整の影響が大きい。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高122,000百万円、営業利益5,050百万円、経常利益5,100百万円、当期純利益3,600百万円である。前年同期比で売上高は4.9%増、営業利益は11.1%増、経常利益は2.1%増、当期純利益は3.6%増の見込み。リスク要因としては、中国経済の成長鈍化や為替相場の変動、地政学的リスクが挙げられる。特に、サプライチェーンの不安定さが業績に影響を与える可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当額は62.00円であり、前期からの変更はない。配当の維持は、安定した利益剰余金の確保によるものであり、株主還元を重視する姿勢が示されている。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率も当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。