横浜丸魚の決算短信<2025年３月期　第３四半期決算短信［日本基準］（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は水産物卸売事業、水産物販売事業、不動産等賃貸事業、運送事業の4つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内外でのインバウンド需要が旺盛であり、特に業務筋向け商材の需要が高まっている。個人消費も回復傾向にあるが、全体的な経済環境には不透明感が残る。
・競争における供給の状況：漁獲量の減少や加工原料価格の高騰が影響し、供給側の圧力が強まっている。特に海水温の上昇が漁業に与える影響は深刻である。
・既存競合他社について：競争が激化しており、特に価格競争が顕著である。競合他社も同様の課題に直面しており、差別化が求められている。
・新規参入企業について：新規参入企業の動きは見られるが、既存の競合に対抗するためには高い品質や独自のサービスが必要とされる。
・代替品について：代替品の影響は限定的だが、健康志向の高まりにより、植物由来の食品などが注目されている。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の売上高は30,954百万円で前年同期比4.0％増、営業利益は283百万円で15.8％増、経常利益は634百万円で16.8％増、親会社株主に帰属する四半期純利益は430百万円で7.4％増となった。前年同期に比べて全体的に増収増益であり、特に水産物卸売事業が好調であった。前期との乖離は、前年同期の業績が低迷していたことから、回復基調が見られる。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高39,400百万円、営業利益350百万円、経常利益650百万円、親会社株主に帰属する当期純利益420百万円とされている。リスク要因としては、円安による原材料費の高騰、漁獲量の減少、物流コストの上昇が挙げられる。これらの要因が業績に与える影響は大きく、特に原材料費の変動が利益率に直結する可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当額が30.00円に設定されており、前期の26.00円から増配される見込みである。増配の理由は、業績の回復と安定した利益の確保によるもので、株主還元の意識が高まっていることが背景にある。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率も当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は安定すると考えられる。市場全体の動向や外部要因による影響も考慮する必要があるが、基本的には安定した業績が株価を支える要因となる。