杉村倉庫の決算短信<2025年3月期　第3四半期決算短信〔日本基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は、物流事業、不動産事業、その他の事業の3つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内経済は緩やかな回復を見せているが、倉庫物流業界では入出庫高や保管残高が伸び悩んでいる。特に、企業業績の改善が見られる中でも、物流サービスの需要は依然として不透明な状況にある。
・競争における供給の状況：人手不足が深刻化しており、特に配送ドライバーの確保が難しくなっている。これにより、供給側のコストが上昇し、業界全体の競争力に影響を与えている。
・既存競合他社について：競合他社も同様に人手不足やコスト上昇に直面しており、効率化やサービス向上に向けた取り組みが求められている。
・新規参入企業について：新規参入企業の動向は不明だが、物流業界の成長性を背景に新たなプレイヤーが参入する可能性がある。
・代替品について：物流業界における代替品は少ないが、デジタル化や自動化の進展により、効率的な物流サービスを提供する新たな技術が競争の一因となる可能性がある。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の営業収益は83億5千5百万円で、前年同四半期比3.6％の増収。営業利益は9億9千万円で、前年同四半期比9.0％の増益。経常利益は10億4百万円で、前年同四半期比9.1％の増益。親会社株主に帰属する四半期純利益は6億6千8百万円で、前年同四半期比8.6％の増益。前期との比較では、営業利益の増加が顕著であり、業績予想との乖離は見られない。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の連結業績予想は、営業収益11,000百万円、営業利益1,300百万円、経常利益1,300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益880百万円を見込んでいる。リスク要因としては、原材料やエネルギー価格の変動、人手不足の継続、経済情勢の不透明感が挙げられる。これらの要因が業績に与える影響を注視する必要がある。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当額は1株当たり5.00円で、前期からの増配が見込まれている。配当額の変更理由は、業績の改善に伴う株主還元の強化である。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。