ヨロズの決算短信<2025年３月期第２四半期（中間期）決算短信〔日本基準〕(連結)>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は自動車部品製造業に属し、主に日本、米州、アジアの3つのセグメントで事業を展開している。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：自動車産業全体の生産台数は減少傾向にあり、特に中国市場でのBEV（バッテリー電気自動車）へのシフトが影響している。これにより、日系OEMの減産が続いており、需要の回復が見込まれない状況が続いている。
・競争における供給の状況：供給側では、原材料や物流費の高止まりが続いており、コスト上昇が企業の利益を圧迫している。特に、品質管理の強化が求められる中で、供給の安定性が課題となっている。
・既存競合他社について：競合他社も同様に生産台数の減少に直面しており、コスト削減や効率化を進めている。特に、グローバルな自動車部品メーカーが競争を激化させている。
・新規参入企業について：新規参入企業は、特にEV関連の技術を持つ企業が増加しており、競争が激化している。これにより、既存企業は技術革新や製品の差別化が求められている。
・代替品について：代替品としては、EVやハイブリッド車の普及が進んでおり、従来の内燃機関車向けの部品需要が減少している。これにより、企業は新たな市場への適応が必要となっている。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の連結業績は、売上高90,942百万円（前年同期比7.9%増）であったが、営業利益は120百万円（前年同期比74.3%減）、経常利益は1,958百万円の損失、親会社株主に帰属する中間純利益は2,588百万円の損失となった。売上高は円安の影響を受けたが、営業利益の大幅な減少は品質費用の発生や生産台数の減少が主な要因である。前期との比較では、業績予想との乖離が見られる。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高177,000百万円（前年同期比2.5%減）、営業利益は1,200百万円の損失、経常利益は3,800百万円の損失、親会社株主に帰属する当期純利益は17,000百万円の損失と予想されている。リスク要因としては、原材料費の高騰や為替変動、地政学的リスクが挙げられる。特に、米国の通商政策や中国経済の低迷が影響を及ぼす可能性が高い。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の第2四半期末に15.00円の配当を予定しており、通期では31.00円を見込んでいる。前期からの変更はなく、安定した配当政策を維持している。配当額の変更がない理由は、企業の財務基盤を維持しつつ、株主還元を図るためである。

5. 株価予想

上記の業績や市場環境を考慮すると、向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。