三井住建道路の決算短信<2025年３月期　第３四半期決算短信〔日本基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は、建設事業、製造・販売事業、その他のセグメントから構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内の道路建設業界は国土強靱化のための政策により建設投資が堅調に推移しているが、企業間競争が激化しており、受注獲得が難しくなっている。特に、民間設備投資の回復が見られるものの、依然として厳しい競争環境が続いている。
・競争における供給の状況：建設資材の価格高止まりや人手不足が影響し、供給側のコストが上昇している。これにより、企業は利益率の確保が難しくなっている。
・既存競合他社について：競合他社は、同様の政策の恩恵を受けており、受注競争が激化している。特に、大手企業が市場シェアを拡大しているため、中小企業は厳しい状況に置かれている。
・新規参入企業について：新規参入企業は、特に地方市場において見られるが、資金力や技術力の面で既存企業に対抗するのは難しい。
・代替品について：代替品としては、道路の維持管理やリサイクル技術が進展しており、これにより新たな競争が生まれている。特に、環境意識の高まりから、持続可能な建設方法が注目されている。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の業績は、売上高21,444百万円（前年同期比5.9％減）、営業利益170百万円（同65.2％減）、経常利益211百万円（同59.3％減）、親会社株主に帰属する四半期純利益106百万円（同63.0％減）となった。前期と比較して、売上高は減少し、利益も大幅に減少した。業績予想との乖離は、特に営業利益の減少が顕著であり、コスト上昇や受注の遅れが影響している。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の連結業績予想は、売上高31,400百万円（前期比1.6％増）、営業利益1,110百万円（同11.6％増）、経常利益1,110百万円（同8.0％増）、親会社株主に帰属する当期純利益690百万円（同17.4％増）を見込んでいる。原材料仕入価格が安定することを前提としているが、仕入価格の変動がリスク要因となる。また、海外経済の影響や国内の政策動向も注意が必要である。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当は40.00円であり、前期と同額である。配当の維持は、安定した利益を確保するための方針であり、株主還元を重視している。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。