タカラスタンダードの決算短信<2025年３月期 第３四半期決算短信〔日本基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

タカラスタンダード株式会社は、住宅設備関連事業とその他の事業（不動産賃貸事業及び倉庫事業）を展開している。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：日本の住宅市場は新設住宅着工戸数が分譲マンションを中心に増加傾向にあるが、新築戸建ては低調であり、リフォーム需要も力強さに欠ける状況が続いている。個人消費の持ち直しや堅調な設備投資が見られるものの、全体的な需要は不安定である。
・競争における供給の状況：競合他社も同様の市場環境に直面しており、価格競争が激化している。特に、リフォーム市場では価格改定の影響を受けた需要の変動が見られる。
・既存競合他社について：タカラスタンダードの競合には、同業他社が多数存在し、特にリフォーム市場においては競争が激しい。各社は新商品やサービスの開発に注力しており、差別化が求められている。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、既存の競合が新たなビジネスモデルを模索しているため、注意が必要である。特に、デジタル化やオンライン販売の強化が進んでいる。
・代替品について：代替品としては、DIY市場や中古住宅のリフォームが挙げられる。これらはコスト面での競争力があり、消費者の選択肢を広げている。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の連結業績は、売上高184,316百万円（前年同四半期比2.7％増）、営業利益12,876百万円（同20.1％増）、経常利益13,241百万円（同19.7％増）、親会社株主に帰属する四半期純利益9,052百万円（同9.9％増）であった。前年同期に比べて新築集合住宅向けの販売が好調で、リフォーム向けの販売も回復傾向にあることが業績を押し上げた。前期との差異としては、リフォーム市場の回復が見られる一方で、価格改定の影響による需要の変動があった。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の連結業績予想は、売上高239,100百万円（前期比1.9％増）、営業利益14,500百万円（同16.7％増）、経常利益14,700百万円（同14.9％増）、親会社株主に帰属する当期純利益9,700百万円（同2.1％増）である。業績成長の根拠としては、リフォーム市場の回復や新築市場の堅調な推移が挙げられる。ただし、国際情勢の不安定さや米国の政策動向など、外部環境の変化がリスク要因として存在する。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当金は28.00円で、合計56.00円となる見込みである。前期からの増配は、業績の改善を反映したものであり、株主還元の強化を図る意向が示されている。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率も当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は安定すると考えられる。