三十三フィナンシャルグループの決算短信<2025年３月期 第３四半期決算短信〔日本基準〕(連結)>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は銀行業、リース業、その他のセグメントから構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：金融サービス全般に対する需要は堅調であり、特に貸出金利息の増加が顕著である。個人および法人向けの貸出需要が高まっており、経済回復に伴い資金需要が増加している。
・競争における供給の状況：競合他社も同様に貸出金利息を引き上げており、競争が激化している。特に大手銀行が新たな金融商品を投入し、顧客獲得に向けた競争が進んでいる。
・既存競合他社について：主要な競合には大手銀行や地方銀行が存在し、特に大手銀行は資本力が強く、顧客基盤も広いため、競争優位性を持っている。
・新規参入企業について：フィンテック企業の台頭が見られ、特にデジタルバンキングやオンライン融資サービスが急成長している。これにより、従来の銀行業務に対する脅威が増している。
・代替品について：代替品としては、クラウドファンディングやP2Pレンディングなどの新しい資金調達手段があり、特に若年層を中心に人気が高まっている。

2. 当期業績の内容

当期の経常収益は前年同期比で41億21百万円増加し545億79百万円となった。これは貸出金利息の増加によるものである。経常費用も前年同期比で16億81百万円増加し447億99百万円となり、経常利益は前年同期比で24億40百万円増加し97億79百万円となった。親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比で6億27百万円増加し65億93百万円となった。業績予想との乖離は特に見られなかった。

3. 次期業績予想の内容

次期の業績予想は、2025年3月期通期の連結業績予想に変更はない。経常収益は引き続き堅調に推移すると予想されているが、預金利息の増加が経常費用を押し上げるリスク要因として挙げられる。また、競争の激化により、貸出金利息の上昇が鈍化する可能性もある。

4. 投資に関する事項

株主還元に関しては、配当額は前期から変更はない。安定した配当政策を維持しており、株主に対する還元を重視している。次期にかけても配当額の増加は見込まれていないが、業績の安定性を背景に株主還元を継続する方針である。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。