ＧＲＣＳの決算短信<2024年11月期 決算短信〔日本基準〕(連結)>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業はGRCセキュリティ事業を中心に、フィナンシャルテクノロジー事業を展開している。セグメント情報は単一セグメントであるため、詳細な区分は省略されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：GRCおよびセキュリティ領域において、リスクマネジメントの重要性が高まっており、特に保険業界からの需要が増加している。企業はサプライチェーンマネジメントやESG投資に対する対応を強化している。
・競争における供給の状況：競合他社も同様のサービスを提供しているが、当社の提供する「Supplier Risk MT」や「Enterprise Risk MT」は特に業務効率化を重視しており、差別化が図られている。
・既存競合他社について：国内外の競合他社は多く、特に大手企業が市場に存在する。競争が激化している中で、当社は独自の技術やサービスを強化し、競争優位性を確保している。
・新規参入企業について：新規参入企業も増加しているが、当社の持つブランド力や顧客基盤が新規参入者に対する障壁となっている。
・代替品について：代替品としては、他のリスクマネジメントツールやソフトウェアが存在するが、当社の製品は特定のニーズに特化しており、顧客からの評価が高い。

2. 当期業績の内容

2024年11月期の業績は、売上高3,288百万円（前期比18.1％増）、営業利益44百万円（前期は営業損失145百万円）、経常利益25百万円（前期は経常損失173百万円）、親会社株主に帰属する当期純利益112百万円（前期は損失280百万円）となった。業績の改善は、GRCセキュリティ事業の稼働率向上やフィナンシャルテクノロジー事業の新規取引によるものである。前期との比較で、営業利益が大幅に改善したことが特徴的である。

3. 次期業績予想の内容

2025年11月期の業績予想は、売上高3,953百万円（前期比20.2％増）、営業利益115百万円（同161.5％増）、経常利益89百万円（同249.4％増）、親会社株主に帰属する当期純利益60百万円（同46.1％減）を見込んでいる。リカーリングモデルの強化や新規顧客の獲得が成長の鍵となるが、採用教育費の増加やのれん償却額の増加がリスク要因として挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当については、2024年11月期は配当を行わない方針であり、2025年11月期も同様の見通しである。配当を行わない理由は、企業の成長投資を優先するためである。株主還元策としては、自社株買いの計画は現時点では示されていない。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「上昇」と予想する。業績が改善し、次期業績予想も成長が見込まれるため、投資家の期待感が高まると考えられる。