ファーストブラザーズの決算短信<2024年11月期 決算短信〔日本基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

ファーストブラザーズ株式会社は、投資運用事業、投資銀行事業、施設運営事業の3つのセグメントを持つ。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：都心・大型不動産市場においては、投資家の投資意欲は高いが、国外不動産市場の動向や長期金利の上昇により慎重な取引が求められている。特に、インバウンド需要の回復が宿泊施設においてはプラスに働いている。
・競争における供給の状況：不動産市場全体では供給が限られており、特に質の高い物件の確保が難しい状況が続いている。これにより、競争が激化している。
・既存競合他社について：競合他社も同様に都心・大型不動産に注力しており、特に資金力のある企業が市場において優位性を持っている。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、資金調達が容易なスタートアップ企業が不動産テクノロジーを活用して市場に参入している。
・代替品について：不動産投資信託（REIT）やクラウドファンディングなど、投資手法の多様化が進んでおり、これらが代替品としての役割を果たしている。

2. 当期業績の内容

2024年11月期の連結業績は、売上高16,865百万円（前期比24.3％減）、営業利益2,838百万円（前期比36.4％減）、経常利益2,193百万円（前期比42.8％減）、親会社株主に帰属する当期純利益1,416百万円（前期比55.5％減）となった。業績の悪化は、特に投資運用事業における新規取得の停止や、投資銀行事業における大型物件の売却がなかったことが主な要因である。

3. 次期業績予想の内容

2025年11月期の連結業績予想は、売上高17,950百万円（前期比6.4％増）、営業利益3,520百万円（前期比24.0％増）、経常利益2,180百万円（前期比0.6％減）、親会社株主に帰属する当期純利益1,370百万円（前期比3.3％減）を見込んでいる。リスク要因としては、金利動向やインフレ率の変動、経済情勢の不確実性が挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当については、2024年11月期において中間配当を1株当たり33円、期末配当を1株当たり34円（年間67円）とし、次期2025年11月期には期末配当を1株当たり35円を予想している。配当額の変更は、業績の変動に応じたものであり、安定的な配当を維持する方針である。

5. 株価予想

業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。