マネーフォワードの決算短信<2024年11月期 決算短信〔日本基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は、Fintech市場においてSaaS型のサービスを提供している。主なセグメントは、Businessドメイン、Homeドメイン、Xドメイン、Financeドメイン、SaaS Marketingドメインである。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：SaaS市場は急成長しており、特にバックオフィス業務の電子化やキャッシュレス決済の普及が進んでいる。法的整備も進み、企業のニーズが高まっている。
・競争における供給の状況：競合他社もSaaS型サービスを提供しており、特に中小企業向けのソリューションが増加している。競争が激化しているが、当社のサービスは機能の多様性と使いやすさで差別化されている。
・既存競合他社について：主要な競合には、弥生株式会社やfreee株式会社があり、特に中小企業向けのサービスで競争している。これらの企業は、価格競争や機能の拡充を進めている。
・新規参入企業について：新たなFintech企業が増加しており、特に特定のニッチ市場に特化したサービスを提供する企業が目立つ。これにより、競争がさらに激化する可能性がある。
・代替品について：代替品としては、従来の会計ソフトや手動での業務処理が考えられるが、効率性や利便性の観点からSaaS型サービスの需要が高まっている。

2. 当期業績の内容

2024年11月期の連結業績は、売上高40,363百万円（前年同期比32.9％増）、EBITDA1,727百万円、営業損失4,735百万円、経常損失5,353百万円、親会社株主に帰属する当期純損失6,330百万円となった。前期と比較して売上は増加したが、営業損失は依然として大きく、業績予想との乖離が見られる。

3. 次期業績予想の内容

2025年11月期の業績予想は、売上高50,000～52,600百万円（前年比23.9～30.3％増）、営業利益は△4,700～△2,300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は△6,800～△4,400百万円とされている。成長の根拠としては、SaaS市場の拡大や新サービスの導入が挙げられるが、リスク要因としては競争の激化や市場環境の変化が考えられる。

4. 投資に関する事項

配当は2024年11月期も0円であり、株主還元は行われていない。次期も同様の見通しであり、業績改善が見込まれない限り配当の変更は難しいと考えられる。

5. 株価予想

業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は「横ばい」と予想される。