久光製薬の決算短信<2025年２月期　第３四半期決算短信〔日本基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

久光製薬株式会社は医薬品事業を中心に、創製・育薬・製造・販売を行っている。主なセグメントは医療用医薬品と一般用医薬品である。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：医療用医薬品市場では、特に経皮吸収型製剤や特定の疾患に対する治療薬の需要が高まっている。一般用医薬品市場では、健康志向の高まりに伴い、自己治療薬の需要が増加している。
・競争における供給の状況：競合他社も新製品の投入や販売促進活動を強化しており、供給過剰の状況が見られる。特に後発品の増加が影響を及ぼしている。
・既存競合他社について：大手製薬会社が多く存在し、特に医療用医薬品市場では競争が激化している。新薬の開発競争が続いており、技術革新が求められている。
・新規参入企業について：新規参入企業は、特にバイオ医薬品やジェネリック医薬品の分野で増加しており、価格競争が激化している。
・代替品について：代替品としては、OTC医薬品や自然療法が挙げられ、消費者の選択肢が広がっている。特に健康志向の高まりにより、代替療法の需要が増加している。

2. 当期業績の内容

2025年2月期第3四半期の連結業績は、売上高111,253百万円（前年同四半期比8.2％増）、営業利益13,220百万円（同8.0％増）、経常利益16,471百万円（同1.0％減）、親会社株主に帰属する四半期純利益13,660百万円（同13.0％増）であった。売上高は医療用医薬品の一部減少があったものの、一般用医薬品の増加が寄与した。経常利益の減少は為替差損によるものである。

3. 次期業績予想の内容

2025年2月期の通期業績予想は、売上高154,000百万円（前年対比8.7％増）、営業利益18,000百万円（同36.7％増）、経常利益23,000百万円（同17.1％増）、親会社株主に帰属する当期純利益20,500百万円（同46.7％増）とされている。主な根拠は、医療用医薬品の販売増加と一般用医薬品の市場拡大である。ただし、薬価改定や後発品の影響、為替リスクがリスク要因として挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年2月期の予想配当は90.00円であり、前期からの増加が見込まれている。これは、業績の向上に伴う株主還元の一環である。特に、記念配当としてサロンパス発売90周年を記念した配当が含まれている。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率も当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。