日本トムソンの決算短信<2025年３月期　第３四半期決算短信〔日本基準〕(連結)>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は日本トムソン株式会社であり、主に軸受等ならびに諸機械部品の製造販売を行っている。セグメント情報は一括して記載されているため、詳細な区分は示されていない。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内市場ではエレクトロニクス関連機器向けの需要が増加しているが、一般産業機械や工作機械向けの需要は減速している。北米では半導体製造装置やロボット向けの需要が増加しているが、欧州では医療機器向けの需要が減少している。中国市場は内需の回復が鈍く、全体的に厳しい状況が続いている。
・競争における供給の状況：国内外の生産子会社において合理化・省人化を進めており、供給体制の強化に取り組んでいる。
・既存競合他社について：競合他社も同様にエレクトロニクス関連機器向けの需要を狙っており、技術革新やコスト競争が激化している。
・新規参入企業について：新規参入企業の影響は限定的だが、技術革新を持ち込む企業が現れる可能性がある。
・代替品について：代替品の影響は少ないが、特に新技術の導入が進む中で、競争が激化する可能性がある。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の売上高は40,289百万円で前年同期比4.4％減少した。営業利益は910百万円で70.0％減、経常利益は1,544百万円で60.3％減少した。親会社株主に帰属する四半期純利益は8百万円で99.6％減少した。前年同期に比べて減収・減産の影響が大きく、特に精密機械向けの需要が減少したことが主な要因である。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は売上高53,500百万円、営業利益1,300百万円、経常利益1,700百万円、親会社株主に帰属する当期純利益900百万円とされている。リスク要因としては、地政学的リスクや市場の不透明感が挙げられ、特に中国市場の回復が鈍いことが懸念される。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当は年間19.00円であり、前期と同水準を維持する見込みである。配当額の変更はないが、業績の不透明感から株主還元の方針が注視される。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。